«恋愛No.161 家路を急ぐ僕は»

「家路を急ぐ僕は」

夜の道　暗い道
ひとりきり

ほのかに光る街灯だけがまぶしくて

そして僕の影が黒々と闇に溶けて
まるで僕の一部が夜に溶けているようで

そっと急ぎだす足は止まらず

速く速く明るく温かな君の待つ場所へ
夜の暗闇に飲まれないように
君の笑顔を思い浮かべながら

また速くなる足は止まらない

（記）2009/01/21

«恋愛No.160 衝突と和解とぬくもりと»

「衝突と和解とぬくもりと」

あなたを信じてる
そう言いながらじっと見つめる

あなたを信じてる
そう言いながらじっと待って

それからあなたはため息
それを聞いた私は
少し反省、小さくごめんと言った

信じてるって言いながら
あなたを信じてなくてごめんなさい
でも信じたくても信じられない
そんな女心もわかってくれないかな

あなたの寂しげな表情とため息
私は俯いてしまって
私も寂しく悲しくなって

ごめんって呟いてから
あなたを見上げた
あなたの表情が少し和らいで
嬉しくなって

ごめんなさいの気持ちと
だいすきな気持ちが
まぜこぜになりながら嬉しくなって
ぎゅってあなたに抱きついた

あなたが抱きしめ返してくれる
この瞬間の幸福を思って
また反省、そしてまた想いが深まって

不安になる日もあるけど
こうしてぬくもりを伝え合えたら
きっとそれも薄らいでいくよね

許してくれてありがとう
また喧嘩もするだろうけど
仲直りもそのたびしていこうね

そして抱きしめ合おう
気持ちを結び直すように
ぎゅっと強く、でも優しく

ぬくもりを伝えるように
気持ちも伝わればいいのにね
あなたがだいすきだよって

（記）2009/05/30

«恋愛No.159 今日こそは、また朝を迎える»

「今日こそは、また朝を迎える」

夢で会えるなら
どんなに忙しくても
すぐにでもベッドに潜り込むのに

夢で会えるなら
どんなに楽しく遊んでいても
すぐにでも帰って眠りにつくのに

でもあなたは夢にさえ
会いに来てはくれないから
今日も夜が更けていく

私はあなたを想って眠れずに
幾夜を過ごしてきただろう
今日も薄らむ空の色が眩しくて

あなたに夢でもいいから
会えますように

そう願いながら
ようやく眠りに落ちていく

今日こそは、その繰り返し
そしてまた朝を迎える

（記）2009/05/30

«恋愛No.158 雷の夜、ドキドキする夜»

「雷の夜、ドキドキする夜」

雷鳴が響き渡る夜
その音を聞きながら
どきどきしていた

雷光が煌く、そして雷鳴

その繰り返し
私は放心したように眺め
窓を見つめていた

雷光が煌く、そして着信音
それから雷鳴

繰り返しの世界に違和感
私ははっとして
携帯に手を伸ばす

彼からのメール
さっきまでのどきどきとは違う
ドキドキが鳴り響く

雷鳴も雷光も、もう私に届かない
届くのは彼からの温かい言葉だけ
REの数さえ愛しくなって
シンっとした窓の外にも気づかない

胸のドキドキは鳴り止まないまま

（記）2009/05/13

«恋愛No.157 両思いになれたのに»

「両思いになれたのに」

片想いの時には
こんなに両想いが苦しいなんて
そんなこと想像もしてなかった

ただ楽しくて、ただ笑って
そんな日々を過ごせるって思ってた

でも片想いの頃よりも
なんだかもっと複雑で濁った感情が
そっと押し寄せる日があって

片想いの頃がよかった、なんて
あの頃には思いもしなかったことを思う

そんな寂しいこと思わせないで欲しいのに

（記）2007/08/25

«恋愛No.156 寂しがり屋の私と意地っ張りな彼»

「寂しがり屋の私と意地っ張りな彼」

楽しい時間はすぐ過ぎて
もうお別れの時間になって

さっきまで笑顔でいられたのに
私の笑顔は引っ込んで
代わりに泣き顔になった

そんな私を見て
あなたは何故だか笑ってて

寂しがり屋の私を
そっと抱きしめてくれて
でもあなたの顔が見えなくなった

私が寂しいねって言ったら
あなたは何も言わなかったけど

ぎゅっと引き寄せられた

あなたの腕の中から出たら
意地っ張りなあなたに
私は笑顔を見せるから

また楽しい時間をふたりで過ごそうね

（記）2007/08/08

«恋愛No.155 朱に染まった日»

「朱に染まった日」

愛してほしいのは
あなたにだけ抱く想いなのに

どうして私を見てくれないのかな

そんな片思いの日々にピリオド
実は、密やかに愛してくれていたあなた
その慎ましやかな想いに

思わず赤面する私

想っていてくれてありがとう
私もあなたを想ってたの

そう伝えればあなたも赤くなって

それでも二人、笑顔が咲いて

（記）2007/08/24