«感情No.8 安らげる場所»

「安らげる場所」


大きな建物の中にいる僕は
外の音が聞こえない

急に淋しくなって
駆け足で　建物の中から這い出した

まるで　酸素を求めながらもがくように
まるで　水を求めながら渇きに耐えているように

僕は　必死になっていた
いま　そうしないと死んでしまうかのように


外の気候　外の空気　外の気温
そういったものを全部　肌で感じたかった

閉鎖的な空間から飛び出したかったんだ

僕は　外にでて生き返ったように
太陽を　風を　草木の息吹を　ただ感じていた


このとき　確かに僕は至福の時を過ごしていた

振り返り　今までいた大きな人工物をながめながら
柔らかな風の中　微笑みを絶やすことはなかった


息をすることも　喉を潤すことも
今は　その術を知っている
あの場所では　わからなかった

今　僕がいるこの場所が　僕にとってのオアシス

（記）2005/05/26
Blog投稿