«自然No.29 溶け出した僕の思いを»

「溶け出した僕の思いを」


寄せては返す波間に
そっと思いを馳せながら

幾度となく繰り返すそれに
思わず駆け寄りたくて
思わず手を伸ばしたくて

そっと足を踏み出した


寄せては返す波間に
そっと思いと共に立ちながら

なぜか涙がこぼれだし

僕の思いが海に溶けていく様子を
海へと溶け出すそれを眺めながら

波の音色に耳を傾けて
ただ静に佇んで

塩辛いその味に笑いながら


今この時が愛しいとそう思えたんだ

（記）2006/10/05
Feel the windに投稿

«自然No.28 静かな海に»

「静かな海に」


夜の海の静けさが好き
でも静かな中に響く波音がもっと好き

暗い暗い夜でも
星の明かりや月の光が
優しく舞い降りてきて

優しく包み込んでくれるようで

ほっと落ち着いて
ゆっくりと時が流れて

少しずつ近づいてくる波間に
時が経つのを見ながら

小さく響く波音を消してしまわないように
そっと私もその中に加わって

静けさの中にある音色に耳を澄ませ
私も小さく喉を震わせて

優しくて安らかな時に身をひたしていく

（記）2006/08/25
（訂）2006/09/14

«自然No.27 キラキラ»

「キラキラ」


はじまりの鐘が
今しずかに鳴り出した

その音色に応えるように
鳥たちも鳴きはじめ
草木もささやきはじめ

キラキラとした一日が
今日も訪れたことに感謝して

僕もそっとその音色に入る

たくさんの音色がとけ合って
それぞれに色を添えて
すべてが輝き出すよう

ほら君の音色も・・・

（記）2006/05/04

«自然No.26 雨粒に憧れて»

「雨粒に憧れて」


輝く雨粒に憧れて
煌めくその雫に魅せられて

少しでも近づきたくて
少し手を伸ばす

されど消えゆく儚き雫に
悲しく切なく

ただ恋しく思う


手を伸ばせば消えてしまう
その儚さにこがれ
欲望にも似た切望を抱く


しかし気づいた我が指に
輝くはただ一雫
儚く消えたと思うた雫

我に宿るは
我のこがれた煌めく雨粒


我に宿りし雫に
我は思いやる
消えゆく雫の姿を思う

溶けこむように
静かに消えゆく雫を
我に溶けてゆくような雫を
輝きを宿した雫を

ただ一心に思いやる

（記）2006/02/26

«自然No.25 遊ぼう»

「遊ぼう」


ふわっと吹いた風に乗り
木の葉がひとひら舞い踊る

くるっと回って風に乗り
木の葉がひとひら飛んで行く

くるくる　ふわふわ　くるっと
ふわふわ　くるくる　ふわっと

風と木の葉なかよしこよし
ふたりそろってどこまで行くの

木の葉が還れば次はまた
風は誰と遊ぶのか
寒い日にくる雪の子と
遊ぶ約束したかしら

風よ風どこまでも
吹いて吹かれてどこまでも
いつか私と遊ぼうね

（記）2005/12/21

«自然No.24 ふたりきり»

「ふたりきり」


空が近付いた
そんな気がした夕刻

僕はひとりきり
空とふたりきり
しばらく見つめあって

・・・ほら、近くにいる
そう感じる

僕はひとりだけど
空がいればふたりになれる

寂しくないねって笑える

（記）2005/12/11

«自然No.23 空から笑顔を»

「空から笑顔を」


切り取ったような空を見上げて
今日も一日がんばろうって思える

毎日　毎日
雨の日も　曇りの日も　晴れの日も
いろんな日があるけど

今日も空を見上げて
私の頬が少し緩む

階段を上がりながら
空を見上げながら
ゆっくりと空が広がる

切り取られたような空
囚われてしまったような空
そんな空を見上げてゆっくり歩を進める

足を進ますごとに空が広がって
私の笑顔も広がった

やっぱり空は壮大で
見渡す限り空の風景がいちばん似合うと
視界に入りきらない空を見上げ思った

雨の日も　曇りの日も　晴れの日も
やっぱり空は壮大で
私のすきな空だと思った

毎日　毎日
移りゆく空を見上げながら
少しずつ元気を分けてもらう

空は遠いけど　身近にあって
私はいつも笑顔になれる

（記）2005/11/03